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東洋医学の考えについて
東洋医学では、人は自然の中の一つであり、「自然界の全ての物」と影響しあっており、また人体の内部の仕組みも自然の中の一つであると考えています。
細胞や組織、器官などは異なった機能を持ちながらも、全体として繋がっている一つの自然としてみなします。
それに対し西洋医学では、細胞の組織や器官などは、それぞれ独立しているものとしています。
このように、東洋医学は自然を背景としており、その根底の思想が、陰陽論や五行論です。
東洋医学と西洋医学との違いは?
- 東洋医学は、長い歴史での経験医学であり、経路、経穴(ツボ)を察知し、悪い所を調和して治療を行います。
鍼灸治療は体が本来の持っている自然治癒力を高める(自分自身の脳内から痛みを止めるホルモンや、体の免疫を高める物質を出す働きかけをする)ことに心血を注ぐことになり、副作用がありません。
健康な時は施術すると病気の予防となり、健康維持の効果もあります。
- 西洋医学は、精密検査など検査のデータ重視で、異常が出ない症状に対してはあまり有効な治療方法はありません。
手術は自然なものに人工的な行為を施すことであり、治療の中心となる薬は、本来であれば人体に無いものを注入する為、身体が薬に対応しにくく、副作用や習慣性が出てしまう場合もあります。
五行論について
自然に起こる全ての現象は【木・火・土・金・水】のどこかに属し、その相互関係によって
世界が変化していくという考え方が五行論です。
この五行論を人体に当てはめて生まれたのが「五臓六腑」という言葉。
五行は人間が健康に生きていくということにも大きな影響を与えていると言えるでしょう。
五臓六腑について

五臓六腑とは人体にある臓器のことです。
人間の身体には多くの器官がありますが、大きく「臓」と「腑」に分かれます。
【五臓】
肝・心・脾・肺・腎…精気を貯めておく場所
【六腑】
胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦…物質を変化させる空白の場所
季節と身体(五臓)の関係
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春は五行でいう「木」。
新芽が芽吹き、眠っていた生物や植物が動き始める季節です。
私たちの身体もこの環境変化に影響を受けます。
特にこの時期は、新しいことが始まるということによる精神不安や
アレルギー症状の悪化が現れやすくなるといわれています。五臓においては「肝」の動きが盛んになります。
その影響で、肝機能が乱れやすくなったり、肝に関係する症状が起こったりすることもあります。
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夏は生物の活動が最も活発になる時期。
五行でいう「火」にあたり、気持ちも晴れ晴れとする季節です。五臓は「心」
内側にあるエネルギーを発散し、新たなエネルギーを体内へ取り入れることで、
エネルギーの循環を促します。
本来は最も健康に過ごしやすい季節なのですが、現代では冷房による冷えなどによって
身体に冷気が入りやすく、それによって様々な不調を招く傾向にあります。
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梅雨の時期はなんとなく憂鬱になる…という方も少なくないでしょう。
この時期は五行でいう「土」、五臓でいう「脾」に当たります。梅雨時期は一般的に湿度が高く、「湿」が身体に溜まっていきます。
脾は湿の影響受けやすく、食欲異常や胃腸の不調が起こりやすくなります。
また、疲労感や倦怠感がなかなか抜けないという方も多くみえます。
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秋は五行でいう「金」にあたります。
活発に活動していた夏が過ぎ、冬に向けて徐々に内向きへと変わっていきます。
そのため、身体の外側のバリア機能が弱くなります。五臓では「肺」の時期にあたります。
気温の変化が激しいため、かぜをひきやすくなるのもこの季節です。
また、乾燥と湿気のバランスが不安定なために、
呼吸器系や消化器系の症状も起こりやすくなります。
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五行では「水」、五臓では「腎」の季節といわれています。
冬は休息の季節、できるだけエネルギーを体内に貯めようとします。
寒さや空気の乾燥によって免疫力や身体の防御機能が乏しくなりがちなため、
インフルエンザが流行しやすいのもこの時期。
さらに身体を動かす機会が減るので、血流も悪くなります。
肩こりや頭痛に悩まされる方も多いですね。
また、冷えにより泌尿器系に影響を及ぼすことも…。
下痢や尿の異常、むくみなども起こりやすくなります。